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離婚するための方法の比較 | 協議離婚・調停離婚・裁判離婚の違いなど

小林祐太郎

熊谷オフィス所長弁護士

熊谷オフィスの弁護士の小林です。現在、日本の夫婦のうち、3組に1組が離婚するといわれています。そこで、今回は、離婚を考えるに至った場合、離婚をするためにはどのような手続があるのかについて解説をしたいと思います。

協議離婚

協議離婚とは、夫婦の双方が離婚することに合意している場合に(未成年のお子さんがいる場合には親権者を定めることも必要です。)、離婚届を役所に提出して行う離婚です。

当事者だけで離婚を成立させることができ、調停離婚や裁判離婚などと比べると手間や時間がかからないというメリットがあります。現在の離婚のほとんどがこの協議離婚であるといわれています。

ですが、協議離婚をする際に注意しなければならないのが、離婚の際に養育費や財産分与などの取り決めを併せてするような場合です。これらの取り決めを口約束だけで行ったり、自分たちだけで書面でまとめても、離婚後にこの約束が守られない場合に速やかにいわゆる強制執行の手続を取ることができません。そのような事態を避けるためにも、協議離婚をするに際して養育費等についても取り決めをする場合には、公証役場にて適切な内容の公正証書を作成しておくことが重要ですし、ケースによっては、以下の調停手続を利用し、調停調書の形でまとめることを検討しても良いでしょう。

離婚届の提出先は?

離婚届の提出先は「届出人の本籍地又は所在地の市役所,区役所又は町村役場」とされています。例えば、現在熊谷市にお住まいの方であれば熊谷市役所に離婚届を提出することができますし、現在は熊谷市以外にお住まいの場合であっても、本籍が熊谷市であれば熊谷市役所に離婚届を提出することが可能です。なお、本籍地以外の役所に離婚届を提出する際には、戸籍謄本(全部事項証明書)の提出も必要となりますので、事前に準備をしておく必要があります(戸籍謄本は本籍地の役所で取得でき、郵送でも取得が可能です。)。

調停離婚

調停離婚とは、家庭裁判所における調停手続を利用して行う離婚です。夫婦の一方が離婚したいと思っても他方が離婚を拒否している場合や、離婚については合意できていても他の条件(養育費や財産分与等)に争いがある場合、また、そもそもお互いに感情的になってしまって夫婦だけでは冷静な話合いができないような場合もあります。このような場合には、夫婦の協議による離婚は難しいですから、この調停手続を利用した離婚を検討することになります。

調停手続は、通常、夫婦が顔を合わせて行われることはなく、調停委員が仲介役となって夫婦の言い分を聴取した上で解決に向けた協議を進めていきます。そのため、調停委員が間に入ることで、お互いに冷静に話合いができてスムーズに離婚が成立できるケースもあります。調停手続で夫婦が離婚及びそれに伴う条件(養育費や財産分与等)について合意に至った場合には、調停調書という書面の形でまとめることになります。例えば、養育費の支払について調停調書でまとめておけば、養育費の支払が滞った場合にはスムーズに強制執行の手続を取ることができますので、養育費や財産分与などについても取り決めをする場合には調停手続を利用することが有用です。費用も、裁判所に対する申立費用は1200円(郵便切手別途)ですので、費用面でも利用しやすいというメリットがあります。

もっとも、裁判所で行われる調停手続ですが、その実質はあくまで夫婦の協議です。そのため、一方が頑なに離婚を拒否している場合には調停による離婚は実現しません。そのような場合に、当事者の意思に関係なく離婚を実現するための手続が、以下の裁判離婚です。

調停の申立先は?

離婚調停の申立てはどこの裁判所でもできるわけではなく、申立てができる裁判所はルールで決まっています。離婚調停の申立てができる裁判所は、原則として「相手方の住所地を管轄する家庭裁判所」です。例えば、別居開始後に離婚調停を申し立てる場合などで、相手方の住所地が熊谷市であれば、さいたま家庭裁判所熊谷支部に申し立てることになります。自分の住所地ではなく、相手方の住所地という点がポイントです。

調停成立後の報告的届出

調停で離婚が成立した場合、調停成立から10日以内に、調停調書の謄本をもって、役所に報告的届出をしなければなりません。離婚自体の効力は調停成立によって発生するのですが、離婚の事実を戸籍に反映するための届出で、戸籍法で定められています。
なお、本籍地以外の役所で届出をする場合、協議離婚における離婚届と同様に、戸籍謄本も必要となりますので、調停成立が見込まれる場合には事前にご準備をいただいた方がスムーズに届出ができると思います。

裁判離婚

裁判離婚とは、家庭裁判所において、判決によって離婚を認めてもらう離婚です。手続として、すぐに裁判離婚を提起することはできず、調停手続を先に行わなければならないこととなっています(調停前置主義)。

上でご説明したとおり、調停手続において離婚が成立しなかった場合、それでも離婚を実現するための手続としては裁判離婚を提起するということになります(審判離婚というものもありますが、審判離婚がなされる場合は多くありません。)。裁判離婚においては、裁判官が、民法で定められている離婚原因(例えば、不貞行為などです。)があるか否かを審査し、これが認められる場合には離婚を認める判決をします。離婚を認める判決がなされた場合、夫婦の一方がどれだけ離婚を拒否している場合であっても離婚が成立することになります。

もっとも、裁判離婚になるケースは、夫婦の一方(被告)が頑なに離婚を拒否している場合がほとんどです。そのため、離婚を求める側(原告)としては、上記離婚原因が存在していることを裁判官に訴え(主張し)、それを証拠で立証していかなければならず、結論(判決)が出るまで1年以上かかるようなケースも少なくありません。

各手続において弁護士に相談・依頼するメリット

協議離婚の場合

協議離婚の場合、夫婦間で離婚について合意ができているケースですので、離婚成立のために弁護士に相談・依頼する必要性はないと思われるかもしれません。もっとも、離婚に際しては解決をすべき様々な問題があります。例えば、未成年のお子さんがいれば親権や養育費の問題、財産分与に関しては住宅ローンがあるケースなど、しっかりと処理しておくべき問題がある場合は少なくありません。

そのため、協議離婚の場合であっても、離婚だけでなく離婚に伴って諸条件が問題になるようなケースでは、一度弁護士に相談をすることで、離婚の際にこれらの問題を適切に処理することが可能なケースもあります。

調停離婚の場合

調停手続については、建前としてもご本人で対応可能になっていますので、弁護士に依頼することなくご自身で対応される方もいらっしゃいます。

もっとも、相手に弁護士が代理人として就いている場合には、やはりご自身では対応しきれないケースも多いかと思いますので、その際には弁護士への相談・依頼を検討されてみることをオススメします。

裁判離婚の場合

裁判手続は、調停手続に比べて、法律に則って厳格な手続で進められます。また、裁判手続では、どのような事実や証拠が重要か等、専門的な知識や技術が必要不可欠ですので、ご自身で対応することは難しいかと思います。

裁判離婚の提起を検討する場合はもちろん、裁判離婚を提起されてしまった場合には、早期の弁護士に対する相談・依頼を検討されることが大切です。

まとめ

以上、離婚のための各手続についてご説明してきました。離婚をする場合、どの手続が適切であるか否かは、一概には言えずケースバイケースです(例えば、まずは協議離婚の形で進めた方が良いケースもあれば、速やかに申立てを行い調停手続を進めた方が良いケースもあります。)。

そのため、離婚でお悩みの場合には、お早めに一度弁護士にご相談されることをおすすめします。

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